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2020年12月6日

経産省「未来の教室」
vol.1「魚は魚か!?魚の進化を追え!」

実証事業

進化は地球規模の個別最適化

昨日はこのテーマでspaceQのオンライン探究ライブを実施しました。モリウミアスさんに生の魚を送ってもらい、魚をじっくり観察して、ヒレの形や大きさ、つきかた、ウロコや口の向きなどを比較していくことでどんな生存戦略で魚たちが生き延びているのかを検証していくプログラム。

この魚はスピードが速いとか、鮭は古代魚らしい顔をしているとか、魚を見る目が明らかに変化します。オンラインという物理的な制約が大きい中でも、生の魚にじっくりと向き合う3時間は子どもたちにとって強烈な学びの時間となったことと思います。

解剖の授業はこれまでも何度もやってきましたが、ひたすら観察して比較するという時間は意外に少なく、とても貴重だと改めて感じました。刃を入れずに見続けていると、魚の美しさやユニークなフォルムに愛着と畏敬の念が生まれてきます。実際、参加した子どもの中にはエゾイソアイナメが可愛くなりすぎて持ち帰った子がいました!笑

まじまじと見つめる中で、魚との関係性を自分なりに持てて、実際に捌く時には「命をありがとう」という気持ちが自然に溢れ出る。捌くまでに魚との時間があるだけで、感情の出方が大きく自分でも驚いたほどです。

特にアイナメには散乱直前の卵が入っていたので、魚たちが命をかけて私たちのもとに来たことへの感謝が大きくなりました。

同時に、生ゴミとしていらない部分を捨てるのは人間都合だなぁと痛感もしました。海のものは海の近くで食べる。魚が工業製品になってしまっていることにも鈍感になってる自分を猛反省。ここまで大掛かりなことをしたことで得られた学びは、感情も含めて大きかったように思います。だからこそ魚を美味しくいただきたいと思います。

進化はまさに個別最適。特性が生かされなければ生きられないし、環境に適応できなくても生きられない。その両方がマッチして初めてその存在が生かされる。まさにこれは地球規模の個別最適化!そんなことにも気付く時間となりました。

今回のプログラムにご協力して下さった、モリウミアスのみなさん、水産学博士の松浦啓一先生、会場を快く貸して下さったRYOZANPARKののりさん、無茶な企画を実現して下さった学研の皆さん、心強い映像配信をして下さるmitemoの皆さん、SPACEの愉快な仲間たちやご協力頂いている全ての皆さんに心から感謝申し上げます。